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梓 初逢瀬(その13)

身体にバスタオルを巻いてお茶を飲み、
お互い一息ついた。

こちらからは、
敢えて今の行為には触れずに、
他愛もない話題を選んで話す。

かなり長時間にわたって、
梓の中への刺激を続けたので、
体力面での限界が近いだろう。
終電までの残り時間もあまり長くない。

彼女をイかせるという目的は達成している。
このまま今日は、雑談で締めくくろうと思っていた。

「そういえば、
お土産をお持ちいただいてましたね。」

「あ、冷蔵庫に入ってます。」

冷蔵庫から持ちこんでもらったケーキを出して、
完全にお茶会モード。

性的に満足して、
心を開いて話してくれる女性との会話は楽しい。

私も作った笑顔ではなく、
本心から楽しそうな顔をしていたのだろう。
梓が、にわかに真顔でたずねてきた。

「あの…
ジュンさんは、もう、いいんですか?」

「え? なんのことです?」

「私とまだ、してもいないのに、
満足そうな表情をしていたので…」

「いや、梓さんの素敵な瞬間を見られたので、
それだけでかなりうれしいのです。」

「…あ、はい。
でも…」

「なんでしょう?」

「私が抱いてほしいと言っても、
抱いてもらえませんか?」

さっき見た時計の時刻を思い出す。
梓の身支度を考えると、
せいぜい30分くらいか。

「それはもう、大歓迎です。
…でも、大丈夫ですか?
お疲れじゃありませんか?」

「明日は仕事も休みですし…
…お願いします。」

返事の代わりに、
テーブル越しに梓に唇を重ねた。

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斉藤 ジュン

Author:斉藤 ジュン
逢瀬を重ねるたびに快感を深めていく女性の姿を綴っていきます。

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