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梓(あずさ)の中から、そっと指を抜き、
右腕で彼女の身体を優しく抱く。
5分ほどもそうしていただろうか、
徐々に呼吸の調子が整い、
ようやく梓が身動ぎをした。
身体を離して彼女の顔を見る。
イった後の女性の顔は、
寝入る寸前のように、
表情から固さや取り繕うような意図が抜けて、
なんとも言いがたい穏やかさがある。
梓の顔にもそんな表情が浮かんでいるのを見て、声をかける。
「よくがんばりましたね。」
眠りから覚めるように目をパチリと開く梓。
「…なんだか真っ白な世界でした。」
「イけたと思いますか?」
「うーん、どうなんでしょう?
でも、初めての感覚でした…
あっ!」
「どうしました?」
梓が右手を見せてくれた。
中指のネイルが剥がれてしまっている。
「あらら、大丈夫ですか?」
「そろそろサロンに行こうと思っていたので…
こんなに、なるまでシーツを握りしめていたなんて、
私、本当に夢中だったんですね…」
「…さて、ひとやすみしましょうか。」
バスタオルを渡して、梓の身体を起こす。
そして、冷えたお茶を載せたテーブルを囲んだ。