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梓初逢瀬(その2)

駅前に大きな通りを挟んでそびえるホテルへの道すがら、
気分を少しでもやわらげてもらおうと
他愛のない雑談で場を持たせる。

梓(あずさ)は、仕事帰りとのことだったが、
制服があるのか、カジュアルな職場なのか、
ほとんど普段着のような服装だ。

女性らしさを主張しないという印象に、
黒いセルフレームの眼鏡が拍車をかけている。

その明るくてそつのない対応ぶりに、
職場では頼れるお姉さん的な存在だろうと感じた。

事務的にホテルへのチェックインを済ませ、
梓と微妙な距離感を保ったまま、部屋に移動する。

部屋に入り、上着と履物を脱ぎ、
お茶と軽食が乗ったテーブルを囲んで、
ようやく一息ついた。

とはいえ、梓も私も仕事帰りというタイミングなので、
まずは腹ごしらえ。

軽い雑談を続けながら、
サンドイッチと惣菜2点の軽い食事を胃に収め、
落ち着いた空気になってきたところで、
話題を徐々に核心に近づけていく。

「…ところで梓さんは、
今回はなぜお会いしようと思ったのですか?」

事前にやりとりしたメールにも、
ある程度は書いてもらっているのだが、
やはり本人の口から話してもらうのが一番だ。

「あの、私、イったことがないんです。」

ずいぶんとストレートな答えが戻ってきた。

「ええ、そういう女性はたくさんおられますよ。
セックスそのものは気持ちよくありませんか?」

「気持ちいいのですが、イクってよくわからなくて…
でも、こんなこと、周りの女の子に聞けないじゃないですか。」

女性同士の猥談は、時に男のそれよりも明け透けなこともあるが、
梓の生真面目な性格がわざわいして、
本人も周囲もそのような会話を避けているのだろう。

「そうですね。
女性がイクときの典型的な身体の反応はいくつかあります。
ただ、それが必ずしもイクこととイコールではありません。
究極は、女性自身が「イった」と自覚することが、
イクということなのです。」

「…ちょっとわからないです。」

「イったかどうかは、梓さんが決めることですよ、ということです。」

「えっ、そうなんですか?」

「ええ。人によっては、教えられなくても、
直感でイったと自覚できる女性はいます。
ただ、そうでない女性もおられるますね。
その場合、明らかにイっていても、自覚がなさってない。
それで、イクってわからないとおっしゃるわけです。」

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斉藤 ジュン

Author:斉藤 ジュン
逢瀬を重ねるたびに快感を深めていく女性の姿を綴っていきます。

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