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「それではシャワーを浴びましょうか。」
一線を越えることを、さりげなく促す。
「荷物はバスルームに持って入ってくださいね。」
本名も知らない間柄なのだから、
この方が、お互いに気を遣わなくて済む。
おずおずとバスルームに向かう弥生に、
部屋に備え付けのハンガーを手渡して、言う。
「ごゆっくり。」
シャワーの水音が聞こえてきたところで、
部屋の支度を整える。
ベッドカバーをはがして、
照明を暗くし、枕元には小道具。
コンドーム、ローション、スティックローター、目隠し、綿ロープ。
特別なリクエストがない限り、概ねいつもこのセットだ。
長めのシャワーを終えた弥生は、
バスタオルの下に下着をしっかり着込んだ姿で、
バスルームから戻ってきた。
「私も済ませてきますので、のんびり待っててください。」
心の中で苦笑しながら、
自分もシャワーを浴びる。
ここで女性を長く待たせてはいけない。
手早く身体を洗い、歯を磨いて、マウスウォッシュを使う。
バスルームを出ると、
弥生は、ベッドの端にちょこんと腰かけて、
少し不安そうな顔で待っていた。