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「ものすごく人見知りなので、
まずは、お酒を飲みながらゆっくりお話したいです。」
遥からの事前のメールには、
そんなことが書いてあった。
好きだという銘柄のビールを買いこみ、
エコバッグに詰め込んで待ち合わせ場所へ。
待ち合わせ時刻の5分前に現れた遥は、
身長160cmくらいのほっそりとした女性。
芸能人かと思うような雰囲気の美人さんだった。
すこし気遅れしながらも、声をかける。
「こんにちは、ジュンです。遥さんですか?」
「あっ、はい。」
彼女のちょっとホッとしたような表情を見て、
こちらも心から安堵したが、
遊び人の沽券にかかわるので、
顔には出さない。
エコバッグを持ち上げながら言う。
「ビールもたっぷり買ってありますので、
ゆっくり話しましょうか。」
それでも固かった遥の表情が、
少しだけ和らいだ。
「…はい。お願いします。」
心の中でガッツポーズを作り、
早足になりそうなのを抑えながら、
彼女と連れだって
駅に直結したシティホテルに向かう。
ホテルまでの途中、
すれ違う男のほとんどと、
多くの女性の視線が、
遥に注がれているのを感じた。