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残されていたわずかな時間は、
愛美が正気を取り戻したところで尽きた。
せわしくならないように注意しながら、
彼女にシャワーを促し、私は服を着る。
乱れたベッドを整え、
逢瀬のための道具を片付け、
最後にカーテンを開けて、
何事もなかったかのような空間を再現する。
バスルームから戻った愛美は、
すっかり仕事帰りのビジネスウーマンの雰囲気だった。
「ジュンさん、今日はありがとうございました。」
「楽しんでもらえましたか?」
「ええ。…でも…」
「でも?」
「ジュンさん、イってないですよね?」
「ああ、いつものことです。
私の個人的趣味みたいなものですので、
お気になさらないでください。
普段から、よほど強くお願いされなければ、
イクことはありません。」
正直にいえば、遅漏気味なのだが、
これくらいの格好はつけさせてほしい。
いよいよ時間がなくなってきたので、
彼女を促して駅まで送る。
その道すがら、彼女が言った。
「また来てもいいですか。」
「愛美さんなら、いつでも歓迎ですよ。
でも、まずは普段のHで、
今日の復習をしてくださいな。」
「ふふ、学校の先生みたいですね。」
「よく言われます。」
改札口の先に手を小さく振りながら
姿を消す愛美を見送った。
この時は、次の逢瀬があるかは、
五分五分かなと思っていた。