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愛美 初逢瀬(その12終)

残されていたわずかな時間は、
愛美が正気を取り戻したところで尽きた。

せわしくならないように注意しながら、
彼女にシャワーを促し、私は服を着る。

乱れたベッドを整え、
逢瀬のための道具を片付け、
最後にカーテンを開けて、
何事もなかったかのような空間を再現する。

バスルームから戻った愛美は、
すっかり仕事帰りのビジネスウーマンの雰囲気だった。

「ジュンさん、今日はありがとうございました。」

「楽しんでもらえましたか?」

「ええ。…でも…」

「でも?」

「ジュンさん、イってないですよね?」

「ああ、いつものことです。
私の個人的趣味みたいなものですので、
お気になさらないでください。
普段から、よほど強くお願いされなければ、
イクことはありません。」

正直にいえば、遅漏気味なのだが、
これくらいの格好はつけさせてほしい。

いよいよ時間がなくなってきたので、
彼女を促して駅まで送る。

その道すがら、彼女が言った。

「また来てもいいですか。」

「愛美さんなら、いつでも歓迎ですよ。
でも、まずは普段のHで、
今日の復習をしてくださいな。」

「ふふ、学校の先生みたいですね。」

「よく言われます。」

改札口の先に手を小さく振りながら
姿を消す愛美を見送った。

この時は、次の逢瀬があるかは、
五分五分かなと思っていた。

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斉藤 ジュン

Author:斉藤 ジュン
逢瀬を重ねるたびに快感を深めていく女性の姿を綴っていきます。

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