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近況を尋ねた途端、少し身がまえたかに見えた伊緒里。
「どうかしましたか?」
いつの間にか顔を伏せている彼女に、声をかける。
しかし、そのまま何か葛藤している様子の伊緒里。
やがて顔を上げ、少し潤んだ目で正面から私を見て言った。
「…きいていただけますか?」
こちらも、少し居住まいを正して答える。
「…どうぞ。」
それから小1時間ほどかけて、
伊緒里に初めて会った乱交パーティ以降の出来事が、
彼女の口から語られた。
当時、仕事がとても大変で、
そのストレス解消のつもりであの乱交パーティに参加したこと。
それ以降、他の乱交パーティやハプニングバーでのプレイに、
どんどんハマっていったこと。
でも、それで仕事のストレスを解消できていたわけではなくて、
結局、うつ病で仕事に行けなくなり、
退職せざるを得なかったこと。
一時期本当に病状が悪く、
入院寸前まで悪化したこと。
今は、どん底だった期間を過ぎて、
ようやく回復してきていること。
再就職先も決まって、
1カ月ほど前から働き始めたこと。
彼氏を作るほどの余裕はまだないが、
セックスが楽しめるかどうか確かめたくて、
私に連絡してみたこと。
時折、涙を流しながら、
伊緒里はようやく語り終えた。
ここまで重い展開になるとは思っていなかったので、
ただ聴くことしかできなかった。
しかし、伊緒里は、ただ話したかったのだろう。
目元はまだ濡れていたが、
すっきりとした表情で言った。
「そんなわけで、よろしくお願いします。」