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伊緒里と連れだって、
一番奥に位置するホテルに向けて
ショッピングモールを通りかかる。
すでに軽食の類は買い出してあったが、
輸入品中心の小さなスーパーマーケットがあったので、
何か追加で欲しいものはないか彼女に尋ねた。
「赤ワインが飲みたいです。」
「…私は車ですので、ほとんどお付き合いできませんけど、
いいですか?」
「あ、そうなんですね。
じゃ、ハーフボトルくらいをお願いしていいですか。」
「はい、承りました。」
ハーフボトルだと選べる範囲がかなり狭くなるが、
その中でイタリアワインを選ぶ。
ホテルの部屋にチェックインして、
夜景の見える窓際のテーブルを囲んだ。
湾岸の夜景の向こうに、
羽田空港に発着する飛行機がよく見える。
早速、ワインのボトルを開けて、
部屋に備え付けてあったワイングラスに注ぐ。
「久しぶりの再会に。」
そう言ってグラスを合わせて乾杯。
残念ながら私はほとんど口を付けなかったが、
適当に選んだ割には美味しいワインだったこともあり、
30分ほどの雑談で、ほどよい感じに場が温まってきた。
そろそろ核心に近づいてもいいだろう。
「さて、今回はどうされたんですか?」
伊緒里は、一瞬身構えたように見えた。