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伊緒里 再会(その3)

伊緒里からは、泊りでの逢瀬の希望があったが、
どうしても私の都合がつかない。
やむなく、ホテルは宿泊で予約するが、
私は未明に失礼するという予定で逢瀬の当日を迎えた。

湾岸エリアに立つ今回のホテルは、
モノレールの駅と直結している。

終電後の帰宅の足を確保するために、
車をホテルに駐車してから、
待ち合わせの駅の改札口に向かった。

夕刻の湾岸エリアの駅は、
近隣のオフィスビルからの帰宅客の数は多いが、
降りてくる人の数は少ない。

目印の黄色いコートの伊緒里は、
すぐに目にとまった。

こちらに気づいていない彼女に近づいて、
声をかける。

私もほとんど伊緒里の顔を覚えていなかったが、
彼女もそれは同様だったようだ。

「…斉藤、さんですか?」

「ええ、ごぶさたしてます。」

「あ、お久しぶりです。」

「思い出しましたか?」

「…記憶とちょっと印象が違うなーと。」

「それは、お互い様ですよ。
こんなに可愛かった女性だったかなと、
声をかけるのにためらいました。」

「あはは、
そのお上手なところは記憶のとおりです。」

「思い出していただいてうれしいです。
…私でよろしいですか?」

「はい(笑)」

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斉藤 ジュン

Author:斉藤 ジュン
逢瀬を重ねるたびに快感を深めていく女性の姿を綴っていきます。

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