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幸帆 一期一会(その1)

新幹線の駅も兼ねた都内の大きなターミナル。
待ち合わせの目印のモニュメントの周りには、
たくさんの人待ち顔の男女が佇んでいる。

待ち合わせは切りのいい時刻に設定するのは人の常だ。
待ち合わせ時刻を少し過ぎ、
周りの人々は、待っていた相手を見つけては、
表情を刹那輝かせて、
次々に待ち合わせ場所から去っていく。

そんな中で、少し不機嫌そうな表情になりながら、
遅れてくる相手を待っているのは、
やはり男の方が多いようだ。
男は待つもの、女は待たせるもの。
待たされる男達の1人として、
そんな言葉が脳裏をよぎる。

しかも今回は、
初めてお逢いする女性なので、
このまますっぽかしということもありうる状況だ。

待ち合わせ時刻を5分過ぎた。
女性が迷っている可能性も考えて、
今、待ち合わせ場所にいる旨のメールを送る。
しかし、返信はない。

これはダメかもしれないと思いながらも、
改札口の方を眺めやった。

こういう場合でも、
30分程は待つことにしている。

稀に、ほんとにのんびりした女性がいらっしゃって、
平然と15分くらい遅れてくることがある。
それでいて、本人は遅れてきたという自覚が
全くなかったりする。

過去にお逢いしたそういう女性が、
とても素敵な女性だったりしたので、
個人的に少々諦めが悪くなったのだ。

事前にやり取りしたメールによれば、
今回お会いする女性は大学生。
性格にもよるが、
社会人的なアポイント時間への厳格さは
期待できないお年頃だ。

待ち合わせ時間から10分少々過ぎた時、
急いだ様子で改札口を通り抜けたものの、
待ち合わせ場所とは違う方向に歩いていこうとしている、
事前に連絡をもらった通りの服装の女性を見つけた。

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斉藤 ジュン

Author:斉藤 ジュン
逢瀬を重ねるたびに快感を深めていく女性の姿を綴っていきます。

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