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愛美は、一通り話し終わって我に返ったのか、
最初の待ち合わせ場所でのように、
目を伏せて居心地悪そうにしている。
こちらからの問いかけにも、
要領を得ない返事しか返ってこない。
なんだか振り出しに戻ってしまった気分で
途方に暮れる。
ふと、事前に彼女とかわした
メールのやり取りの中で、
「人見知りなので…」
と書かれていたことを思い出した。
「…シャワーを浴びますか?」
「はい。」
驚くほどあっけなく、
愛美はバスルームに姿を消した。
部屋の支度を整えながら、
今後の展開を考える。
素直にシャワーを浴びに行ったということは、
私との行為が嫌というわけではない。
人見知りなのか照れているのか。
いずれにせよ、私の側でアクションを起こさないと、
事態が進展していかないだろう。
女性との初めての逢瀬ではあまりしないパターンだが、
少し強引に物事を進めようと、
考えがまとまったところで、
シャワーの水音が止まった。