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遥 再会(その2)

今回使うホテルは少し古いものだが、
客室のリニューアルが終わったばかりで、
インテリアは一新されている。

元々シングル2室だった部屋の間の壁をぶちぬいて、
1室の部屋にしたようで、
都心のホテルのダブルルームにしては広く、
高層階ゆえに、2つ並んだ窓からの眺めもよい。

靴を脱いでテーブルを並んで座る。

「ふぅ…」

暑いさなか、都会の人込みを縫って歩いてきたせいか、
二人揃って同じタイミングでため息をついた。

あまりにシンクロしたお互いの動作に、
顔を見合わせて少し笑う。

初逢瀬のときの固い表情と比べると、
印象はずいぶん柔らかくなったが、
まだ少し緊張している様子も伝わってくる。

今回は躊躇なくアルコールの力を借りて、
遥の心をほぐすことにした。

「いやー、ほんとに暑かったですね。
こういうときはやっぱり…
ビールじゃないですか?」

「ええ… そうですね。
いただきます。」

前回聞いていたお好みの銘柄のビールを冷蔵庫にしまいこんで、
その銘柄と味の傾向が似ていて、
ちょっとマイナーなものを出した。

「これをちょっと試してもらおうと思ってたのです。」

つまみの惣菜のパッケージを開けて、
ビールをグラスに注ぐ。

もろもろの準備が整い、
グラスを掲げて乾杯。

「ん! これ美味しいですね!」

「おっ、お好みに合いましたか?
がんばって選んできた甲斐があります。」

ほとんど一息で空いてしまった遥のグラスに、
ビールを注ぎ足す。
今回も逢瀬は飲み会から始まった。

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斉藤 ジュン

Author:斉藤 ジュン
逢瀬を重ねるたびに快感を深めていく女性の姿を綴っていきます。

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