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お茶を乗せたテーブルを挟んで、
真琴と向かい合う。
「イけましたか?」
「…はい、2回」
「それはよかった。
今回の目的は果たせましたか?」
「ええ、とっても満足です」
とてもすっきりとした表情で答える彼女。
前回の経験から、今回のプレイはこれで打ち止めだろう。
少しけだるい、リラックスした雰囲気の中、
他愛もない話題で過ごす。
プレイの後のこの時間がとても好きだ。
彼氏のこと、家族のこと、学校のこと。
二十歳前の女性には話すことがいくらでもある。
時々相槌を打ちながら、
穏やかに聞き役に徹することにした。
そんな風に小一時間ほど話を聴いていると、
真琴のスマホから少し変わった着信音がした。
「…あ、彼氏からです。」
「おっと、どうぞどうぞ」
そう言って、彼女の視界から外れる。
少しぎこちないやりとりからはじまり、
やがて楽しそうな声で会話が弾む様子が伝わってくる。
しばらくして電話が終わった。
元の場所に腰を下ろす私のほうに、
少し申し訳なさそうな顔をして、真琴が切り出した。
「今日は少し早めに帰ってもいいですか?」
彼氏との電話で、思うところがあったのだろう。
「いいですよ。じゃ、身支度をなさってくださいな」
あっさりと受け入れて彼女に準備を促す。
30分後にはホテルから最寄り駅に向かう道を歩いていた。
「また逢ってくれますか?」
「彼氏とのつきあいの邪魔にならなければ、
歓迎しますよ」
「…多分、大丈夫かなと」
「ま、気長にお待ちしてます」
改札口の雑踏に消える真琴を見送った。
その後、メールでは何度かやり取りがあり、
逢瀬の日程を調整しようとしたこともあった。
しかし、真琴と彼氏との関係が深まっていくにつれ、
連絡の頻度も下がり、
ついにはTwitterのアカウントも削除された。
彼氏と幸せに過ごしていてくれればいいと思う。