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理津子 初逢瀬(その2)


エスカレータを何台か乗りついで、
地下鉄の駅と直結しているホテルにチェックインする。

世間話をしながらホテルの部屋に移動して、
靴を脱ぎ、テーブルに着いてもらう。

夕方からの逢瀬なので、
まずは腹ごしらえから。

事前に購入しておいた夕食を並べ、
ビールをグラスに注いで乾杯。

他愛もない話題と食事で、
理津子の気分をほぐし、
アルコールが少し回ってきたところで、
徐々に本題に切り込んでいく。

事前のアンケートでも、
参加の目的は書いてもらっているが、
直接対面でお聴きしないと、
その本質は掴めないことが多い。

一度の逢瀬で、女性に満足してもらうには、
その目的を掘り下げることが不可欠だ。

彼女の場合は、
「セックスを楽しみたくて」
という記述だったが、
これではほとんど理由になっていない。

「今回、お越しいただいたのは、
何か特別思うところがおありになりますか?」

「私、セックスしたいんです。」

「彼氏さんがいらっしゃいませんでしたっけ?」

「いるんですけど…」

「けど…?」

「フェラしかさせてもらえないんです。」

「え、セックスしてないんですか?」

「付き合い始めの頃の2、3回だけで、
あとは職場の車の中でされるだけなんです。」

「職場恋愛なんですね。
失礼ですが、お仕事は何を?」

「巫女です。」

「え?」

「神社が職場なんです。」

「あ、あの袴を穿いている巫女さん?」

「そうです。」

彼女の染めていない長い髪も
極端な薄化粧も、
これで合点がいった。

「神主さんの娘さんとかなんですか?」

「いえ、普通に公募しているところに応募しました。」

神社の名前までは尋ねなかったが、
初詣の人出ランキングの常連だそうだ。

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斉藤 ジュン

Author:斉藤 ジュン
逢瀬を重ねるたびに快感を深めていく女性の姿を綴っていきます。

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